イタリア出前授業「奈良から日本文化をはこぶ」
- 開催日:2016年2月22日(月)、24日(水)
- サピエンツァ・ローマ大学( Università degli Studi di Roma "La Sapienza") イタリア・ローマ市
- 国際交流基金(ローマ日本文化会館) イタリア・ローマ市
内容
Ⅰ.第一部
- 当研究所理事長 勝部月子 講義『日本の年中行事「お正月について」』
- 日本の舞と音楽:「仕舞」大矢克英氏、舟引康之氏、「箏」喜多菜都美氏、喜多恵子氏、「三弦」舟引智子氏
Ⅱ.第二部
- 体験授業―百人一首を楽しむ―
- 「百人一首」解説 中村文音氏(帝塚山大学大学院博士後期課程)
- 体験:トーナメント「百人一首」
初めてとなるイタリア出前授業は、ローマ・サピエンツァ大学の東洋研究学科で開催し、NPO会員ならびに協力者が16名参加しました。
今回の出前授業のテーマは「日本のお正月」でした。
まず初めに、当研究所理事長・勝部月子の講義では、お正月に実際使う民具(注連縄・鏡餅など)に触れる機会を設け、新年の生活習慣やことばに表れる日本人の心について話をしました。
次に日本の伝統文化の鑑賞として『日本の舞と音楽』を披露していただきました。
大矢克英氏の仕舞、舟引康之氏の謡による「舞(能)高砂」。
箏は「六段の調」「さくら」を喜多菜都美氏が演奏。
舟引智子氏による三弦「八島」。
最後にイタリア民謡「サンタルチア」を、箏・喜多恵子氏と三弦・舟引智子が合奏されました。
第二部では、現地からのリクエストでもある「百人一首」を体験してもらいました。
まず百人一首を理解し親しんでもらうため、中村文音氏(帝塚山大学大学院博士後期課程)が漫画等を使ってわかりやすく解説しました。
その後、5~6名のグループに分かれ、実際にトーナメントを開催し「百人一首」を楽しみました。
当メンバーが2名ずつ各グループのサポートにつきましたが、日本語をとても理解されている学生さんが多く私達も驚くばかりでした。
奈良県物産吉野杉を使って帝塚山大学文化創造学科の学生が制作した「百人一首」を紹介したところ、学生さん達は札を手に取って、とても興味深く見ながら、吉野杉の柾目や香に触れていました。
今回は現地学生が約50名参加されましたが、皆さん大変熱心で、「もっと日本を知りたい」「日本の文化に触れることができて嬉しかったのでまた授業を受けたい」等うれしい言葉をたくさん聞くことができました。
翌々日の24日(水)には国際交流基金(ローマ日本文化会館)を訪問し、渡邊彩氏に館内を案内していただきました。
日本語講座も定期的に主催されており、「しゃべりあーも」(日本語を勉強しているイタリア人の方々と日本語話者の方々が日本語で話をする交流の場)も毎月開催されています。
今回はスケジュールの関係で文化交流はかないませんでした。
しかし、何か交流できる事はないかとご相談したところ、東北大震災復興支援イベントのチャリティーバザーが3月13日(日)にローマで開催されると教えていただき、急きょ参加を決め、当メンバーの持参した着物や帯をチャリティーに出品させていただきました。
遠い国で今もなお支援してくださることに深く感謝し、私達も参加できたことを嬉しく思っております。
次回のイタリア出前授業の際には、国際交流基金(ローマ日本文化会館)においても、是非、文化交流の機会を設けたいと思っております。
今後も「五感で知る日本」をテーマに、体験を通して日本文化の理解に繋げる学びを目指していきたいと考えております。