第六回 ベトナム出前授業「奈良から日本文化をはこぶ」
- 開催日:2016年3月16日(水)、17日(木)
- ホーチミン市師範大学(MINISTRY OF EDUCATION AND TRAINING HCMC UNIVERSITY OF PEDAGOGY) ベトナム・ホーチミン市
- ホン・バン国際大学(HONG BANG UNIVERSITY INTERNATIONAL) ベトナム・ホーチミン市
内容
Ⅰ.第一部
- 当研究所理事長 勝部月子 講義『日本の年中行事「端午の節句」』
- ホンバン国際大学学生発表「こどもの日」
- ホーチミン市師範大学学生発表「こどもの日」
Ⅱ.第二部
- 「手遊び・わらべ歌」水野 惠理子氏
- 「こどもの絵本の読み聞かせ」 浜中 三和子氏
- 発表:漫画からみる日本人の霊魂観 中村 文音氏(帝塚山大学大学院)
- 体験:兜作り、手裏剣作り
- 昼食を共にしながら日本語での会話
第6回目の日本文化の出前授業を、ベトナムホーチミン市の2大学で行いました。
今回の参加者は6名(NPO会員2名、協力者4名)でした。
今回は〝こども〟をテーマに実施しました。
まず、日本の〝こどもの日〟について、主に「端午の節句」をとりあげての講義をしました。
日本の文化をより身近に感じてもらえるように、那須塩原市のNPO桜和様から寄贈を受けた鯉のぼり2匹、若大将人形を、日本から持参し飾りました(この人形と鯉のぼりは、ホン バン国際大学に寄贈)。
つづいて、現地の学生さんが、ベトナムの〝こどもの日〟についての発表をしてくださいました。
こどもに関わる祭事が中秋節と関わりあることや、さまざまなベトナムの風習は大変興味深く、多くを学びました。
発表を終えた学生さんから「こうした発表の機会与えて下さったことに感謝します」との言葉を頂き、大変心うたれ、勇気をもらいました。
私たちは毎回、日本の民俗についての話をしますが、同テーマで、現地の学生さんにも発表を促してきました。
学生さんの負担にならないか、気をもんでいましたが、今回の言葉は本当に嬉しく思いました。
現地では、まだ正規に「民俗学」は構築されていません。
その状況は、ベトナムの国の歴史を鑑みて了解するところです。
伝承されてきた文化は、先人たちの心意の表出です。
急激な社会変化を遂げつつあるこの国において、次世代を担う若者が自国の民俗をしっかり知ることは、何にも増して前進していく今の力、糧となるものであると考えています。
また、出前授業では、認定NPO法人アゴラ音楽クラブ理事長 水野惠理子氏の指導で、こどもの日に関わる歌を皆で大合唱をし、手遊びをとおして日本語に触れる機会を設け、大いに盛り上がりました。
手遊びは日本では幼児教育に用いられますが、日本語教育にも有効であると感じました。
今回は、こどもの絵本の読み聞かせも実施しました。
標準語と方言(関西弁)の読み比べに、日本語専攻の学生さんは強い関心を示され、有用な方法の一つであると認識することができました。
帝塚山大学大学院 博士後期課程2年中村文音さんは「漫画からみる日本人の霊魂観」について発表されました。
漫画という媒体を使っての日本人の信仰に関わる発表は、現地の学生だけでなく、参加した先生方からも高い評価を受けました。
現地で日本語を学ぶ多くの若者に〝日本〟を届けるためには、もっと多くの参加者が必要です。
「日本人と日本文化」を届けるこの事業に、多くの方の参加をお願いいたします。
最後に、ホン・バン大学、ホ-チミン市師範大学の先生方々の御協力、並びに毎回通訳を担当してくださるVO THI MAI HUONG氏に感謝いたします。